2007年4月16日月曜日

映画初回ーcloser



マイク・ニコルズ監督の最新作。
ゴールデン・グローブ賞でドラマ部門の助演女優賞(ナタリー・ポートマン)、助演男優賞(クライヴ・オーウェン)に輝いています。

監督:マイク・ニコルズ
脚本:パトリック・マーバー
音楽:モリッシー
出演:ジュリア・ロバーツ 、ジュード・ロウ 、ナタリー・ポートマン 、クライヴ・オーウェン

ストーリー:ダン(ジュード・ロウ)は街で偶然出会ったストリッパーのアリス(ナタリー・ポートマン)と恋に落ち、同棲(どうせい)を始めるが、フォトグラファーのアンナ(ジュリア・ロバーツ)に一目惚れしてしまう。一方あることがきっかけで偶然医師ラリー(クライブ・オーウェン)もアンナに出会うが・・・。

基本的には上記の4人しか出てこない(出てこないわけじゃないけどお話に極力絡んでこない)大人の恋愛映画。セリフ回しでも気付いたけど,もともと舞台劇だったものの映画化なんですって。
さて,いろいろネットで見てみるとけっこう評価低いんですが,わたしは評価高い映画です。4人の誰にも感情移入できなかったし,しかしだからこそ冷静に「な~にやってんの,この人」って感じで客観的に見られましたね。
でも見終わったあとの何ともいえない感じはある意味新鮮です。

最初の偶然のダンとアリスの出会い,あれ好きですね。ダンもとってもいい感じの人で,アリスもとってもキュート。しか~し,なぜかダンはアンナに惚れてしまう。アンナは彼女(アリス)もいるダンを突き放し,エロチャットで約束の場所に来たラリーと出会う。といってもエロチャットでアンナのふりをしていたのは実はダンで,アンナはまったく無関係だったのだけど。その後アンナはラリーと結婚していたけど,実はダンのことが好きで浮気をしていた。ダンもアンナとのことがあるのでアンナに別れを告げる。アンナは行方不明に。これでめでたく結ばれるはずだったダンとアンナですが,アンナと離婚する条件としてラリーはアンナを抱く。それに気付いたダンはアンナから去ろうとするが,ふんぎりがつかない。一方アンナに去られたラリーはストリッパーとして働くアンナを発見,執拗に迫る。。。

まあ,このあともどろどろの人間関係が続きますが,不思議と乾いた感覚です。「真実」を求めるがゆえに何もかもなくしてしまうダン,一見ピュアに見えるコケティッシュなアリスが実は・・・。無表情で一見強く見えるアンナ,最初はエロチャット,次に妻に去られて落ちぶれる男,しかし,最後は計算の上に妻を(少なくても外見上は)取り戻すという宇梶・・・いやラリー。人間模様が時間の経過とともに変わっていきます。「感情移入して泣きたい」という人にはおすすめできませんが,GG賞もとった宇梶・・・いやクライヴのいやらしい演技はいいです!笑

嘘で固めるわけじゃない。でも恋愛ってときには真実よりもっと大事なものがある。真実を知ってしまったとき,あるいは真実を知ろうと考えたとき,あっけなく愛は終わる。。
とにかくいろんなことを考えさせられました。

タイトルの「CLOSER」について,邦題は「クローサー」になってますが「クローザー」とも読めます。前者ならcloseの比較級で「より親しい」が普通の訳。同じcloseには「周到な」「窮屈な」「手放さない」という意味もあります。後者だと「終わらせる人」「閉ざす人」という意味です。つまり今まで以上に親しく(closer)なって今まで以上に窮屈に(closer)なり,その結果,恋愛と2人の関係を終わらせる人(closer)になるというわけで,とっても意味深なタイトルです。そう考えると,「この映画は何がいいたかったのかわかんない」という方もヒントを得られるのでは?

1 件のコメント:

キム ジハン さんのコメント...

はじめまして。私は大学で日本語を勉強しておるキムジハンと申します。この映画は私が好きな映画の一つです。内容のことは私に理解できない所もありましたが、主題歌がとてもよくて、感動しました。「can't take my eyes oee you~」と歌う歌手の声が記憶に残っていますね。また、他の映画の感想を見に来ます。では、失礼いたします。